ジェネリック外用剤の配合変化について
ジェネリック医薬品については、以前は、内服については積極的にジェネリックを採用。
でも外用薬は先発のみ、という薬局も多かったと思います。
しかし、最近は「しばり」の関係もあってすっかり外用のジェネリックも普及しましたね。
そこで今回は、軟膏MIXにおいて、先発品では大丈夫だったけど、
ジェネリックでは配合変化が起きてしまった一例をご紹介したいと思います。
品目は
アンテベート軟膏 + ヒルドイドソフト軟膏
上記2剤は配合変化なしです。
で、今回問題となったのは
アンフラベート軟膏 + ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「日医工」
総量100gのMIX 4週間後、混合した軟膏から水がでたーというお話。
日医工さんが配合変化のデータを取っていたので(日医工さんありがとうございます♪)早速インタビューフォームで確認!!
・アンフラベート軟膏 + ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「日医工」
⇒ ✖バツ 2週間後に分離
オーマイゴット!!書いてある。データあるのに混ぜてしまったのか。。。。
知らないことは怖いこと。
患者さんはいつでも私たちに勉強をさせてくれます。
で、ついでにもう少し混合パターンを調べると、、、。
アンフラベート軟膏 + ヒルドイドソフト軟膏
→ ✖ 2週間後に分離
アンテベート軟膏 + ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「日医工」
→ △ 8週まで変化なし 12週でブリーディング(基剤の低融点物の滲みだしあり)
と、いう結果でした。
2週間で分離してしまっているのはすべてアンフラベート軟膏がらみ。
どうしてかなーーー。
基剤を調べてみよう。
アンテベート軟膏は スクワラン、ゲル化炭化水素、パラフィン、白色ワセリン
うんうん、すべて油脂性基剤
アンフラベート軟膏は ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、プロピレングリコール、白色ワセリン
ん? 原因はここか?
プロピレングリコールって水中油型の乳性基剤。そこにポリオキシエチレン硬化~の界面活性剤。
ここらへんがにおうなー。
ヒルドイドソフト軟膏は 油中水型の乳性基剤(インタビューフォームにばっちり記載あり)
グリセリン、スクワラン、軽質流動パラフィン、セレシン、白色ワセリン、サラシミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン、エデト酸ナトリウム水和物、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル
ヘパリン類似物質油性クリーム0.3%「日医工」 は 濃グリセリン、スクワラン、
軽質流動パラフィン、セレシン、白色ワセリン
んん?ここもグリセリンは水溶性、他は油脂性だ。油中水型か?
となると、やっぱりアンフラベート軟膏の基剤が原因っぽいですね。
アンテベート軟膏とヒルドイドソフト軟膏はどちらも油同士。
アンフラベート軟膏と混ぜようとすると水と油を混ぜていることになる。
詳しい解析はメーカーさんに問い合わせしないとわかりませんし、
水と油だけの単純な話だけではない気もしますが、それでもなんとなーくわかった気がします。
基本のキですが、水と油は混ざらない。
混ぜようとしている軟膏の基剤がどちらなのか?先発品と同じ、と思い込まず一度調べて頭にいれておくことが大切だと改めて感じました。
注:上記内容は2016年11月11日に旧薬剤師やすこのブログに記載した記事です。