薬剤師やすこのブログ

調剤薬局勤務の薬剤師やすこです。 薬のこと、目の病気のことなど気ままに書きます。

インフルエンザ治療薬 ゾフルーザのQ&Aについて考察 その1

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はいはい、こんにちは~!新年二発目なので軽めにご挨拶。

 

 

我ながらタイトル長いなぁ。笑

 

 

今回はどうにも気になるゾフルーザ について!!

 

 

塩野義さんのHPに「ゾフルーザ錠のよくあるお問い合わせ」というPDFが紹介されていたのでそこを読んでの自分なりの考えを書きたいと思います。 

 

 

 まずは適応症

A型またはB型インフルエンザウイルス感染症

 

 

はい!ここで気になりますよね、あれには効かないの?

 

 

いわゆる新型インフル(A/H1N1pdm型)には効かないのか、という疑問。

どうなの塩野義さん!?

 

 

「効く!!」とは書いてありませんが

インフルエンザ罹患期間はプラセボと比べて短く有意差あり。とのこと。

つまり「効果あり」と読み取る。

 

 

次、用法用量

 

1.通常,成人及び12歳以上の小児には,20mg錠2錠又は顆粒4包(バロキサビル マルボキシルとして40mg)を単回経口投与する。ただし,体重80kg以上の患者には20mg錠4錠又は顆粒8包(バロキサビル マルボキシルとして80mg)を単回経口投与する。

 

2.通常,12歳未満の小児には,以下の用量を単回経口投与する。

 

体重 用量
 40kg以上  20mg錠2錠又は顆粒4包(バロキサビル マルボキシルとして40mg)
 20kg以上40kg未満   20mg錠1錠又は顆粒2包(バロキサビル マルボキシルとして20mg)
 10kg以上20kg未満  10mg錠1錠(バロキサビル マルボキシルとして10mg)

 

 はいここで疑問。

12歳未満の小児への投与について、実際のところはどうなるか考えてみる。

 

 

 まず、新生児(生後4 週未満)、乳児(1歳未満)への投与について添付文書で確認すると、[使用経験がない。]と記載あり。なので基本的には医師はつかわないだろうと考える。

 

 

すると適応範囲は1歳以上で体重が10kg以上のお子さんが対象だ。

 そうなってくるとやはり顆粒を使いたいところ、だ・け・ど、一番顆粒を使いたい体重10~19.9kgの適応は錠剤のみ。どう処方する?

 

 

ゾフルーザ 10mg 1錠 粉砕、、、。

 

 

んーーー。

粉砕してまでゾフルーザを使うとは思えないので錠剤飲めないお子さんはタミフルが使いやすい!となりますね。

 

 

ということで、" 1歳以上で体重が10kg以上かつ錠剤の服用が可能 なお子さんがゾフルーザ10mg 1錠 の適応範囲かなと考えます。

 

 

ちなみに高齢者への投与は、

一般に高齢者では生理機能が低下しているので,患者の状態を十分に観察しながら投与すること。

 

 

と、添付文書に記載があるのみですね。具体的な投与量調節の記載はありませんでした。高齢者では生体機能が低下しているのであえて新薬を使わなくても既存の薬で治療したほうがよさそうですね。

 

 

たったの1回の服用で効果を発揮してくれると噂のゾフルーザ。

 

 

うまく使えば最高(!?)なのですが、色々と考えて使う必要のある薬剤ということは間違いない感じだなと率直な感想をもちました。

 

 

他にもたくさん書きたいことが湧き出てくるのですが、長くなるので今回はこれで終わりとします。

 

 

その2へ続く。

 

 

 


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